さかさまな、いかさましかい









  竜崎さんて、越前くんがいなければ生きていけないんじゃない?




















  と。


 大抵の人は言う。

 ケド、違う。
 全然違う。




 やんなるくらい元気な太陽の下、芝生に寝転がったまま、
風が音を立てて周りを通り抜けるのをなんだかくすぐったい気持ちで待つ。


 風が側を通り抜けるのは人が好きだからだったらいいよねって、
笑ってくれたのはいつのことだったっけ。


 親友に向けていたような極上の笑顔を初めて見せてくれた時を忘れてしまうくらい隣にいるという事実に、好敵手と対峙した時にも味わえなかった高揚感を感じる。








 好きなテニスしてても、桜乃がいるのといないのとでは全然違うし。

 学校とか授業とか、日常に関するものすべて、桜乃によって変化する。


 今だって、桜乃がこないから色が段々薄れてく。








 ・・・・・・・・・一分。








 ・・・・・・・・・二分。





 ・・・十秒。





 桜乃はまだこない。

 暇だから、桜乃がいないトコロを想像してみよう。

 ダメ。
 桜乃がいないトコロは住みにくい。
 てか住めない。
 ムリ。

 やっぱり俺が生きていくには桜乃が必要だ。




 コンビニとかの前でゴシュジンサマを待つ、ペットの気持ち。


  なんかワカル。



 『カワイソウ』でもなく、ドウジョウでもなく。

 欲しいのは、ただ、ゴシュジンサマだけ。






「リョーマ君!」
「・・・・遅いんだけど。」
「ご、ごめんなさい!」




  ああほら。


 やっぱり逆さまなイカサマだらけの世界。






こねこはりょーま!飼い主桜乃!

すみません。
漢前な攻め様ってどう書くんですか?