■ 自分でいること



 どうしたら、私は私でいられるのだろう?


「リ〜ンスちゃん!」
「鬱陶しい!!」
「がふっ!!!・・・・・・相変わらず手厳しいねリンスちゃんってば。」
「黙れ軟派男。」
「・・・いやーん。あ、で、今からどこ行くつもりでやんすか?」
「決まってるでしょ。情報収集よ。」
「駄目。」
「は?」
「そんなとこ却下。リンスちゃんは俺ともっと楽しいとこ行くでやんす!」
「なんであんたにそんなこと・・・コラ!その手離して!」
「目的地に着いたら離してあげる♪」


 いつもなら、あんな男一発決めてハイサヨナラなのに、どうしてそれが出来ないの。
 ・・・いや、あいつは腐ってもケロベロスだけど、女にはそれなりに手加減するでしょ、
先刻みたいに。
 それなのに出来ない。ムカついてる筈なのに笑ってる自分がいる。

 嫌だ。そんな矛盾を持ったままでいるなんて。


 理由が分からない私からは、何もすることは出来ないけれど。



2004/7/12
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■ うるさい



「ねぇねぇ。」

 ウルサイ。

「ねぇ、リンスちゃん。」
「煩いっていってんでしょ。」

 私がどんなにうるさいって言っても、あんたは私の傍にいてくれるから。

 あんたが傍にいることが当たり前になりそうで、恐い。


 それともあんたは、それさえ笑って消し去ってくれるのかしら?



2005/6/4
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