一瞬で捕らわれて お疲れ様ですと後ろから声をかけられ、キャラが濃い先輩達がいないところで一息ついていた慎司は飛び上がらんほどに驚いた。 一拍おいてからそっと振り返ってみると、見知らぬ女性が呆気にとられたような顔をして立っていた。 ――― 何処かで会ったことがあっただろうか? 咄嗟に思い脳を必死に動かしてみるが、慎司の記憶には思い当たる人物はいなかった。 (・・・最近たくさんの人に会ってるからなぁ。) 正直すべての人を覚えていると断言は出来ないから忘れているのではと不安になり、慎司は再び目の前の女性を見た。 すると、女性はにこりと笑うと再び喋りかけてきた。 「アリアのとこの新人さんだよね?」 「え・・・、あ、そ、そうですが。」 自分の課のボスであるアリア・ローゼンブルグをファーストネームで、しかも仲良さ気に呼んでいることが気になりつつも応えれば、女性は満足そうに頷いた。 「私は交通課の春日珠紀。これからよろしくね。」 挨拶とほとんど同時に差し出された手に、反射的に自分の手を重ねる。 そして二、三度上下に揺さぶられた。 「何かと騒がしい人達だけど皆根っこは優しいから、ゆっくり馴染んでいけばいいよ。」 じゃあと元気に言い残し去っていく彼女の後姿をぼうっと見ていた慎司は、彼女が見えなくなったことで、彼女の笑みに見とれていた自分にやっと気付き、遅ればせながら体中を赤く染めた。 ツーファイブのキャラソンCD特典から刑事ネタ。
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