「このテニス野郎!汚い手で気安く十代目に触んな!!」
「あ、荒井くん・・・!落ち着いてよ、ね?」 「すみません十代目!俺はこいつを殺さないと気がすまねえんす!」 「ははは。荒井まだ花火持ってんのかよ。今は秋だぜ?」 「これは花火じゃねぇっつってんだろ?!果てろ!」 「駄目だってば荒井くん・・・!」 ちゅどーん・・・! というわけで「REBORN!」なテニプリ小話。
「やあ。」 学ランを肩にかけながら優雅に向かってくる人物は、 この学校の影の支配者(あながち嘘ではない)である不二周助だった。 「直接会うのはこの間以来だね。」 「・・・蓮ニならいませんけど。」 『この間』のことがあるため、今目の前にいる人物に、 誰に対する時よりも警戒をしながら、桜乃はそう言った。 「あの赤ん坊に用があったわけじゃないよ。」 何がおかしいのか、不二はくすっと笑いながら一歩近付いてきた。 「じゃあなんのためにここに来たんですか?」 「・・・君に用があったんだよ。」 やや間をおいてそう答えた不二は、ようやく気付いたというような顔をしていた。 「・・・私に?」 会いに来る価値もない駄目駄目な奴にわざわざ会いにきたのか。 この間の仕返しにきたのか。 そんな意味を込めた声が、桜乃から発せられる。 一歩後ずさった桜乃と、その間に数歩前に出る不二の間の距離は、 確実に縮まっていく。 「十代目ぇ!!!」 「・・・荒井くん・・・。」 彼が来てほっとするのと同時に、またこの間のような目にあわせてしまう様な 気がして怖くもあったが、ほとんど無意識に、桜乃は彼の名を言葉にした。 彼の後ろには、向日の姿もある。 不二は、彼らのことは無視して、桜乃の綺麗な髪をそっと手の平にのせた。 「今回は邪魔がきたから引いてあげる。」 じゃあね、と言って去っていく後姿に、どうしてだろう。 前よりも恐怖心を感じることはなかった。 というわけで「REBORN!」なテニプリ小話二話目。
「・・・こんな物送ってくるくらいだったら帰ってこいよ。」 ぽつりと呟いて、親父の土産である古ぼけた六角形の木の輪っかに触れると、 狭い部屋の許容量を越えるほどのまばゆい光が放たれた。 (・・・・・・?!) 眩しすぎて叫ぶことさえ出来ない。 目を閉じただけでは抑えきれなかったので、腕で影を作り、目を保護する。 そして、やっと光が収縮した後に俺が目にしたのは、親父の土産と。 「初めましてご主人様。」 中国風の服装を着て、空中に浮きつつ微笑んでいる、謎の女の子だった。 「守って守護月天!」パロ。
「誕生日プレゼントは何がいい?」 膝に攀(よ)じ登ろうとしている慈郎に手をかしてやりつつ、 桜乃が柔らかい声で聞いてくる。 「要相談だよ。」 そう言われて頭を過ぎる、桜乃にひざ枕してもらっている俺。 「・・・・・・・・・っ!!!」 浮かんできた邪念を消し去るため、慌てて頭を強く振ると、慈郎が泣き出してしまった。 どうやら、俺が突然した行動に驚いた桜乃の体が揺れたのが気に触ったらしい。 慈郎をなんとかあやした桜乃が、問うような目線を向けてくる。 「触れて・・・いいか?」 聞いておきながら、俺の手は、それより先に桜乃に触れていた。 ええと、以前じゅんさんにお話した、「ディアマイン」パロ。
「いちいちかまってなんかいれっかよ。」 そう言って立ち上がる彼の後ろ姿を呆然と見送る。 いつか。そうやって切り捨てられてしまうのだろうか。 私、も。 彼がゆっくりと後ろを振り返る。 「ん?」 柔らかな笑顔と、優しく掴まれた手で、ようやく自分が何をしてしまったのか悟った。 「あ、あの!急に歩き出されたのでどうなさったのかと。」 「悪ぃ。あれが気になって。」 指差された方を見ると、一軒の飲食店が建っていた。 おいしそうな香りはここから漂ってきてたのですね。 「お腹減ってるのですか?」 「かもな。お前も食う?」 「え?!で、ですが、買い食いは禁止されていて・・・。」 「アホか。そんなん言ったらあいつらはどうなる。」 周りをよく見てみれば、クレープなどを手に持っているクラスメートがたくさんいて、 亮くんの言っている意味がよく分かった。 「・・・お前さえよければ、集合時間までどっか見て回ろうぜ。」 「はいっ。」 「フルーツバスケット」パロ。
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